空き巣対策マニュアルサイト

効果的な空き巣対策とは?鍵を交換して防犯強化

効果的な空き巣対策とは?

昨年は約3万2千件ものお宅が空巣の被害に遭われています。この被害件数は無視できるようなものでは決してありません。あなたの家は空き巣対策をしていますか?

我が家は狙われる程派手な生活はしていない、わざわざうちを狙う者はいない、といった油断は禁物。油断している家庭こそ狙われやすいのです。

空き巣は、逃げやすいよう土地勘のある場所で、短時間の犯行を行う身軽な単独犯が多いです。セキュリティの甘い家を探して目星をつけ、家屋に人がいないことを確認して侵入します。その判断は5分程あればついてしまうほど、手早く行われます。

そしてその侵入手口としては、鍵がかかっていないドアや窓からの侵入です。また、手慣れた空き巣なら鍵を壊したり、特殊工具で鍵を開けたり、窓を割って入ることもあります。

空き巣が重視するのは、入りやすい・見つかりにくい・逃げやすい点であるため、戸建てやセキュリティの甘いマンション・アパートなどの住宅を狙います。金品があるかどうかは二の次、また金品はなにも現金だけではなく、パソコンや家電・テレビ・スマートフォンなども盗む対象となります。

そんな空き巣に対して、私たちができる対策とはなにがあるでしょうか。

侵入を限りなく不可能にするセキュリティシステムを導入すると、24時間監視のカメラ・センサー、警備員の配置、重厚なゲート、指紋認証・生態認証・2重認証ロックなど、莫大な費用がかかります。

一般家庭にそこまでのセキュリティを導入するのは難しく、また広い土地でなければ過剰な設備は利便性を欠き、近隣とのトラブルになることもあります。

そこで、家庭でできる効果的な空き巣対策、鍵の交換をおすすめします。

そもそもなぜ鍵の交換は効果的なのかというと、空き巣の侵入手口に関係しています。

ここでは、空き巣の手口もあわせて紹介していきましょう。

こんな鍵を使っているお宅は要注意!

簡単に開けられる?ピンシリンダーとは

ピンシリンダーは鍵の片側がギザギザになっていて、もう片方はギザギザが無く直線であることが特徴です。昔に建てられた家の玄関ではまだ多く使用されており、価格が安いため倉庫や物置の鍵としても使われています。このピンシリンダーは様々な防犯シリンダーの基本構造と言えますが、ギザギザが1列ということもあり、ピッキング道具を使用すれば慣れたものなら1分も経たずに鍵を開けることが出来てしまいます。

古いタイプのディスクシリンダーは危険

ディスクシリンダーもピンシリンダーと同じくギザギザしている鍵となります。特徴は両側にギザギザがあること。このディスクシリンダーは、美和ロックというメーカーが販売する鍵となりますので、持ち手のところにMIWAというロゴが付いています。

古いタイプのディスクシリンダーは、ピッキングですぐに開きます。またピッキングしやすい鍵として空き巣にとっても見慣れたものとなるので、鍵穴を見ればすぐにわかるほど有名です。同じギザギザの鍵でも、新しいタイプのロータリーディスクシリンダーであればピッキングに強い鍵となります。

玄関に鍵が一個しかないと狙われる?

一つのドアに対して鍵が一個しかついていない、というのは防犯的には好ましくありません。ピッキングに強い鍵であれば一概に防犯性が低いとは言えませんが、空巣にとっては一個の鍵をアタックすれば済むので、犯行時間を抑えられるという理由で狙われる可能性があります。

特にギザギザした鍵が一個である場合は、不安が残ります。また鍵のメーカーが廃番にしている種類は基本的に防犯性も不安です。ディンプルキーであっても構造が簡単なものなら、ピッキングが出来てしまうため、廃番になっているものかどうか一度メーカーサイトを確認してみましょう。

防犯対策の鍵はどんな物があるの?

現在でもピンシリンダーやディスクシリンダーを使用している方は多くいると思います。それほど、過去普及していた鍵でもあるのです。では空巣に入られないようにするには玄関の鍵をどのような物に交換すればいいのでしょうか?

ピッキング出来ないディンプルキーへ交換

ディンプルキーとは鍵の表面に円形・楕円形の凸凹があるのが特徴です。

2000年前後に国内でピッキングによる空巣の被害が社会問題になりましたが、その時にピッキング対抗品としてこのディンプルキーが普及しました。従来のギザギザの鍵とは違い、ピンの段差が読みにくいシリンダー構造で、従来1~2列であったピンの配列も、3列のものが主流に。

この複雑な構造により、ディンプルキーの耐ピッキング性能は10分以上となりました。(※耐性は各製品に表示されており、10分未満の製品もあるので注意。)

空き巣は5分以上かかると侵入を諦める割合が増えます。また開けられないとわかっているディンプルキーを使っている家は敬遠するため、ディンプルキーを付けているだけで対策となるのです。

ピッキングする鍵穴がない電子錠もおすすめ

電子錠は鍵穴がそもそもない点からして防犯に優れていると言えるでしょう。指紋や暗証番号の入力で解錠するものであれば、鍵を鞄から取り出す手間や鍵の保管等の手間が省けてとても便利です。この利便性を求めて電子錠にする方も多いのではないでしょうか。

ワンドアツーロック!補助錠を取り付けよう

玄関のドアに鍵が一個しかついていない方は、補助錠を付けることも検討してみてはいかがでしょう。

空巣からすると、開けなければならない鍵が2つに増え、ピッキングやサムターン回しをする時間も倍になるので嫌がります。見るからに手間がかかるドアは防犯性が高いと言えます。

補助錠にはディンプルキーか、錠前部品が工具の届きにくい家の中に収まっている面付錠か、上記でもおすすめした電子錠を選ぶ方もいますね。

サムターン回しに気を付けよう!

ピッキングだけじゃない、今はサムターン回しも多い! サムターン回しとは、室内にあるサムターンを回す事で鍵を開ける手口のことを言います。サムターン回しはドアに穴を開けて棒状の道具を入れたり、ドアの隙間から道具を侵入させたり、ドアについている覗き穴から特殊な道具を入れたり、郵便受けを壊して直接手を入れるなど様々なやり方があります。

サムターンカバーを付けて対策

道具がサムターンに引っ掛からないようにカバーを付けてください。空のペットボトルを半分に切って、ガムテームでくっつけるお手製の対策方法から、専用のしっかりとしたサムターンカバーも販売されています。

また、サムターン回し対策済みの鍵もあり、指でスイッチを押しながら回さなければ開かないものや、道具で開けようとする不審な力の加わり方では回らないサムターンなど様々ございます。新築の物件ですともとからこの機能がついた鍵が使われていることもあります。

インナー錠に交換する

インナー錠は内側がつまみではなく、鍵穴になっているものです。閉める時も開ける時も鍵を使用しなければならないため、手を使ったり道具を使ったとしても開けられることはありません。サムターン回し対策にはバッチリなのですが、緊急時・災害時のスムーズな避難、家にいる時の鍵の開け閉めが手間となるデメリットがあります。

防犯対策として効果の高い鍵交換のまとめ

まず、空き巣は時間が命です。複数犯よりも単独犯であることが多く、主に狙うのは住宅となります。

住宅が密集しており、奥まったところに建っていて周囲から見えにくいとより危ないので、そういった場所にある家は防犯意識を高く持つようにしてください。

鍵は古いものであればすぐに交換するようにし、必ずピッキングに強い鍵を選んでください。よく分からないという方は、ディンプルキーという用語をとにかく覚えておきましょう。

ディンプルキーでピッキングに強い鍵にしたい!と、鍵屋に言えばそのような鍵を出してきてくれます。

またすでに鍵がディンプルキーで、玄関のドアに1個しか付いていない場合は、ディンプルキーを2個つけるか、電子錠を補助錠として使うのもおすすめです。

空き巣の手口はピッキングだけではなく、サムターン回しという手口も有名ですので、内側のサムターンにカバーを付けるといった対策も行ってください。

以上が効果的な家庭の防犯対策となります。費用としては、鍵屋に頼むとおよそ2万円が相場ではないでしょうか。あとの差額は、鍵の性能次第といったところ。電子錠にすると6万円ほどは見ていた方が良いでしょう。

決して安くはないですが、家の安全と身の安全を考えると対策は必要不可欠であると言えます。